東京ベイエリア分署 二重標的(ダブルターゲット):今野 敏

| コメント(0) |カテゴリ:

今野敏さんの「東京ベイエリア分署 二重標的」を読みました。

主人公は、東京湾臨海署(通称 ベイエリア分署)の刑事捜査課を現場で率いる、安積警部補です。

刑事捜査課は、たいてい従来の所轄署と管轄が重なるため、応援に駆け付けるというあまり面白くない立場に追いやられ、恐ろしく多忙な割には、やりがいのない部署という印象を持たれています。

そんな中で、安積警部補は、一緒に働く部下の刑事達の心情を思いやり、そして何よりも自分の仕事に対するプライドのために、そんな状況をどうにかしようとしています。

ある日東京湾岸のライブハウスで、30代の女性が毒殺されるという事件が発生します。

例によって、ベイエリア分署も応援に駆り出されますが、今回は捜査本部にベイエリア分署からも人を出すことになってしまいます。

ただでさえ忙しく、人手不足のベイエリア分署なので、安積が時折フォローすることにして、若手の刑事を一人送りだしますが、色々な経緯があって、ベイエリア分署が捜査本部内で軽視されていることに気づいた安積は、自分も捜査本部に加わることにします。

捜査本部の捜査方針としては、無差別殺人説が強くなりますが、どうしても違和感を覚える安積。そんな折、同時刻に別の場所で起こった殺人事件との奇妙な繋がりが見えてきます。

ここから、安積たちの執念の捜査が始まって行きます。

やはり警察小説なので、捜査活動や謎解きも面白いですが、安積を中心にした部下の刑事達や、所轄署の刑事達との人間関係の描写や、安積自身の葛藤の描写が面白いです。

たまたま刑事という職業についた一人の男の生きざまを、ひとつの犯罪を通して描いているような感じです。

一流の犯罪小説と人間ドラマを、一冊の本で楽しめる秀作だと思います。

東京ベイエリア分署」はシリーズ化されていますが、ややこしい事に、「安積班シリーズ」という別系統のシリーズもあります。

どうも、安積さんは途中で、「神南署」というところに転勤になったらしいです。その後、またベイエリア分署に戻っているらしく、安積さんがベイエリア分署にいるときが「東京ベイエリア分署シリーズ」。安積さんが主人公の物を「安積班シリーズ」というようです。なので、両シリーズで重なっている作品もあるようです。

ややこしいので、おやじは「安積班シリーズ」と呼ぶことにして、次の本を読むことにします。

佐々木蔵之助さん主演で、TBSでドラマ化された「ハンチョウ~神南署安積班~」は、安積さんが神南署勤務時代を描いているようです。

コメントする

Powered by Movable Type 6.0

2015年1月

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

このブログ記事について

このページは、kaneyukiが2009年4月23日 21:38に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「こぎこぎ紀行:蒙古タンメン&Cafe Mame-Hico」です。

次のブログ記事は「映画:バイオハザード ディジェネレーション なかなか見応えあり」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。