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おやじ的に、タイトルと表紙のイラストに惹かれて買ってみたら、久々に面白い小説に出会いました。

定年を迎えて退職し、父親から引き継いだ剣道教室の生徒が全員中学進学を期に止めてしまい、何もやる事が無くなってしまった主人公のキヨ。家族から還暦のお祝いに赤いちゃんちゃんこを贈られるが、気持ちも体もまだまだ老人と呼ばれる事を拒否します。

そんな折、ふとした切っ掛けで、昔「三匹のわるガキ」と呼ばれた幼なじみと自警団を結成する事になりました。

一人は、息子夫婦に経営する居酒屋を任せた柔道家のシゲ。もう一人は、妻がその命と引き換えに残した一人娘の女子高生を溺愛する町工場の社長のノリ。 

それぞれが、一癖も二癖もあるおっさんですが、共通するのは家族を愛し、間違ったことは大嫌いということ。 

いつしか家族から愛情を込めて「三匹のおっさん」と呼ばれるようになります。

痴漢や詐欺、中学校での動物虐待などの事件を解決しながら、それぞれの家族との絆や、おっさん達の可愛い姿が綴られて行きます。

ほんのりとして心温まるストーリーで、ついつい引き込まれてしまいます。

特に気に入っているのは、キヨの孫の祐希とノリの娘の早苗の関係と、おっさん達との係わりの描き方。

早苗ちゃんが可愛い!

今野敏さんの「東京ベイエリア分署 二重標的」を読みました。

主人公は、東京湾臨海署(通称 ベイエリア分署)の刑事捜査課を現場で率いる、安積警部補です。

刑事捜査課は、たいてい従来の所轄署と管轄が重なるため、応援に駆け付けるというあまり面白くない立場に追いやられ、恐ろしく多忙な割には、やりがいのない部署という印象を持たれています。

そんな中で、安積警部補は、一緒に働く部下の刑事達の心情を思いやり、そして何よりも自分の仕事に対するプライドのために、そんな状況をどうにかしようとしています。

ある日東京湾岸のライブハウスで、30代の女性が毒殺されるという事件が発生します。

例によって、ベイエリア分署も応援に駆り出されますが、今回は捜査本部にベイエリア分署からも人を出すことになってしまいます。

ただでさえ忙しく、人手不足のベイエリア分署なので、安積が時折フォローすることにして、若手の刑事を一人送りだしますが、色々な経緯があって、ベイエリア分署が捜査本部内で軽視されていることに気づいた安積は、自分も捜査本部に加わることにします。

捜査本部の捜査方針としては、無差別殺人説が強くなりますが、どうしても違和感を覚える安積。そんな折、同時刻に別の場所で起こった殺人事件との奇妙な繋がりが見えてきます。

ここから、安積たちの執念の捜査が始まって行きます。

やはり警察小説なので、捜査活動や謎解きも面白いですが、安積を中心にした部下の刑事達や、所轄署の刑事達との人間関係の描写や、安積自身の葛藤の描写が面白いです。

たまたま刑事という職業についた一人の男の生きざまを、ひとつの犯罪を通して描いているような感じです。

一流の犯罪小説と人間ドラマを、一冊の本で楽しめる秀作だと思います。

東京ベイエリア分署」はシリーズ化されていますが、ややこしい事に、「安積班シリーズ」という別系統のシリーズもあります。

どうも、安積さんは途中で、「神南署」というところに転勤になったらしいです。その後、またベイエリア分署に戻っているらしく、安積さんがベイエリア分署にいるときが「東京ベイエリア分署シリーズ」。安積さんが主人公の物を「安積班シリーズ」というようです。なので、両シリーズで重なっている作品もあるようです。

ややこしいので、おやじは「安積班シリーズ」と呼ぶことにして、次の本を読むことにします。

佐々木蔵之助さん主演で、TBSでドラマ化された「ハンチョウ~神南署安積班~」は、安積さんが神南署勤務時代を描いているようです。

今野 敏さんのST警視庁科学特捜班が面白くて、シリーズ全10作のうち8作を一気読みしてしまいました。

多様化する現代犯罪に対応するために新設された警視庁科学特捜班、略称STは、警部の百合根友久以下5人のメンバーで構成されている。百合根以外は全員警察官ではなく研究職員で、それぞれの分野のエキスパート。

他のメンバーからキャップと呼ばれる百合根は、少し頼りなげな感じの若干30歳で警部のキャリア組。現場での経験は殆どなく、初の試みのSTを任せられ困惑気味。個性的な5人のメンバーへの対応にも苦慮しながらも、次第にメンバーへの信頼を高めていき自身も成長していきます。

赤城左門は医者の資格を持つ法医学の専門家。しかし、昔極度の対人恐怖症であり、それを克服したものの女性恐怖症が残っている。一匹狼を気取っているが、なぜか回りから信頼される存在で、STのリーダーを務める。

黒崎勇治は毒物などの第一化学の専門家。野武士のような風貌を持ち極端に無口。色々な武道の免許皆伝を持っている。嗅覚が異常に発達していて、匂いを嗅いだだけで化学物質などの特定が出来る。また、容疑者などの汗の匂いなどから、相手の精神状態を見抜く。

青山翔は文書鑑定の専門家。特に精神医学に精通しており、プロファイリングに秀でている。彼は、男でも見とれてしまうような端正な顔立ちをしている。秩序恐怖症のため、彼の机の上は乱雑極まりない。極端に飽きっぽく、口癖は「帰っていい?」。

結城翠は物理担当で紅一点。極端に耳がよく、普通の人には到底聞こえないような距離の会話を聞きとることができる。相手の心音を聞くことで精神状態を見抜き、黒崎とペアで人間ポリグラフィーと呼ばれるほど。抜群のプロポーションを持っており、服装は常に露出過剰気味。青山によると、閉所恐怖症の表れとのこと。

山吹才蔵は第二化学の専門家。実家が曹洞宗の寺で、彼自身も僧籍を持っている。常に穏やかで百合根の唯一の話相手をしてくれる。

そんな彼らが、初めて現場に出たのが、シリーズ1作目の「ST警視庁科学特捜班」。現場とSTとの連絡役の菊川吾朗警部補や現場の警察官に煙たがれながらも、それぞれの能力を生かして事件を解決へと導いていきます。

このあとシリーズとして以下の作品があります。

・ST警視庁科学特捜班 毒物殺人
・黒いモスクワ ST警視庁科学特捜班
・ST警視庁科学特捜班 青の調査ファイル
・ST警視庁科学特捜班 赤の調査ファイル
・ST警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル
・ST警視庁科学特捜班 緑の調査ファイル
・ST警視庁科学特捜班 黒の調査ファイル

それぞれの事件を通して、百合根とメンバーの結束が固まって行き、また、菊川警部補との信頼関係が高まって行きます。「~の調査ファイル」では、色の表わすメンバー各人がメインで活躍して、それぞれの人間像が描かれています。ちなみに「黄」は山吹才蔵です。山吹色ってことですね。

ミステリー作品なので、それぞれの事件のトリックをどのように解決していくか、とうことも面白いですが、菊川警部と百合根の人間関係の変化や、各メンバーとの交流という人間ドラマが一番面白いです。

残るは後2作。

・ST警視庁科学特捜班 為朝伝説殺人ファイル
・ST警視庁科学特捜班 桃太郎伝説殺人ファイル

となりました。頑張ろう!でも、最近ゲームが忙しくてねぇ・・・

慎治:今野 敏

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アキハバラに続いて、今野 敏さんの「慎治」を読みました。

中学生の慎治は3人の同級生にいじめられて、自殺まで考えるようになる。ある日、担任教師の古池が、強要されて行った万引の現場を目撃してしまう。しかもその現場は、古池が行きつけのビデオショップ。ビデオショップの店長 松井は、万引き被害に辟易しており、監視ビデオを設置して、万引の画像を公開しようとしている。教師としては熱心ではない古池だが、この事態を解決するために、慎治に自分の趣味の世界を紹介する。その趣味の世界とは、ガンダム・スクラッチ・モデル制作。慎治は、次第にカルトな趣味の世界に引き込まれ、自分の居場所を見つけていく。しかし、万引きの後始末はもつれにもつれ、思わぬ方向へ発展していく。

今野 敏さんは、担当者から「思い切りオタクの話をかきませんか」と言われてこの作品を書いたそうです。今野 敏さん自身も相当オタクが入っているようで、ついつい書き過ぎてしまうので苦労したそうです。ガンダムやモデリングは実際に今野 敏さんの趣味だそうです。

ガンダムの歴史や、モデリングの話が詳しく書かれていて、さらにはサバイバルゲームなど、おやじ的にも以前から興味があったので思いっきり楽しめました。もちろん、ストーリーの方もバッチリ。慎治の心境の変化が伝わってきて、思わず「よかったね」と言ってしまいそうになります。読後感は爽快の一言。カルトな世界に入り込まないよう注意しないと(^_^;)

今野 敏さんの作品はまだ2冊読んだだけですが、登場人物の描き方が抜群だと思います。それぞれのキャラがよく立っています。決して長い文章で描かれているわけではないのに不思議です。

さあ、次は「ST警視庁科学特捜班」に挑戦です。楽しみ楽しみ(#^.^#)

アキハバラ:今野 敏 その2

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今野 敏さんのアキハバラを、正月に帰省したときに読みました。

読みだしたら止まらないやめられないの一気読み(#^.^#)

秋葉原に憧れて東京の大学に入学した田舎者でオタクの青年が、ついに秋葉原へ降り立ったその日、秋葉原に渦巻いていた様々な陰謀が、ふとした切っ掛けで青年を中心に回りだします。

地上げを狙う暴力団、強盗を狙うロシアンマフィア、中近東国同士のスパイ合戦。それぞれ無関係に見える陰謀が、見事に絡み合って、銃撃戦や爆弾騒ぎ、人質籠城などの、とんでもない事態に発展。その過程が、息もつかせぬ展開で繰り広げられて行きます。

まるで、アクション映画を見ているようで、ついつい引き込まれてしまいました。

警察官や秋葉原の主みたいな人物も登場しますが、それぞれの人物が魅力的で、とっても面白かったです。

今野 敏さんの作品は初めてでしたが大満足。

勢いで、「慎治」と「ST警視庁科学特捜班」を買いましたので、後ほど感想をご紹介したいと思います。

アキハバラ:今野 敏 その1

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今日本屋さんへ行って、自転車雑誌を立ち読みしてから文庫コーナーに行ったら、何となく気になる「アキハバラ」というタイトルの本を発見。

解説を読んでみると、なんかハチャメチャの内容で面白そう。今野 敏さんは初めてでしたが、買ってしまいました。

読後感想は後ほど。

作家・英文学者の伊藤礼さんの自転車エッセイです。

伊藤さんが自転車に凝りだしたのは、定年を間近に控えたある日、記念に12km離れた勤務先の学校まで自転車で行ってみようと思い立ったのが切っ掛け。

それまで、自転車に乗るのは近所の郵便局へ行くぐらい。自転車で通勤しようと思ったことはあるが、色々乗らない理由をつけて自動車で通っていたが、最後に一度だけ記念走行をしたいと、「つい乗ってしまった」そうです。

「一般的にいって、何に限らず、一度だけとかちょっとだけと手を出すと、たいていそれですまないものなのだ。」

と、伊藤さんが言っている通り、それから4年間で自転車は6台に

増殖していき、同年齢の友人3人と北海道ロングツーリングをするまでになる間の、思い出に残るサイクリングやロングツーリングのエピソードや、自転車に対する想いなどが独特のトーンで綴られています。

神田川を隅田川までサイクリングした時の話などは、ルート上の景観やポイントの説明が淡々と続くのですが、何故か一緒にのんびりサイクリングしている気持ちにさせてくれます。

しかし、「伊藤さんと一緒にサイクリングしたら疲れるだろうなぁ」と内心思ってしまいます。それは、「きっとこの人は頑固で偏屈な人なんだろう」と感じさせる部分が所々に出てくるから。しかしその部分が特に面白い。多分、伊藤さんご本人は、大真面目で理路整然と考えられたことを書かれているのでしょうが、何故かユーモラスで、クスッと笑ってしまいます。

70歳過ぎても自転車に乗る。シャカリキななって乗るわけではなく、ゆったりしたペースで乗る。でも、時々意地になってこぐ。

お勧めの一冊です。

自転車のロードレースでは超有名なランス・アームストロングさん。

おやじは、自転車に興味を持って、色々調べ始めるまでは全然知りませんでした。(*_*;

高千穂遥さんの「じてんしゃ日記」で、お勧めの本として紹介されていたので読んでみました。

この本は、バイクのロードレースで世界に名を知られはじめ、これからさらに活躍しようかという25歳の時に、睾丸癌と診断された(このとき既に癌は肺と脳にも転移してしており、生存率は50%以下と宣告されます。)著者が、絶望と恐怖の中で、癌と闘うことを決心して、手術と過酷な化学療法を乗り越えて癌を克服し、その後、ツール・ド・フランスで総合優勝するまでの過程を描いています。

癌になるまでの、人生観や自転車競技に対する考え方が、癌になった後どのように変わっていったのか。何故変わっていったのか。単なる闘病記ではなく、人生とは、様々な人たちとの出会いや、友人や家族との強い絆を通して、自分自身で素晴らしい物にしていく物だと教えてくれます。

人生とは何ぞや?どう生きていくべき何だろうと、久々に考えさせてくれました。是非、若い人に読んで欲しいと思います。

このあと、ランス・アームストロングさんは、前人未到のツール・ド・フランス7連覇を達成し、2005年に現役引退しましたが、何と2009年にツール・ド・フランス8勝目を目指して現役復帰するそうです。楽しみですね。

高千穂 遥さんの自転車本です。

本屋で自転車関係の本を探していたら、なんとなく気になって買っていました。特に意識した訳ではないのですが、「じてんしゃ日記」に続き、高千穂 遥さんの本を買ってしまいました。

こちらは、自転車に関するエッセイです。

じてんしゃ日記で見る限り、高千穂さんはバリバリのローディだと思っていたのですが、意外にも一番多く乗るのはママチャリだそうです。

そんなわけで、最初はママチャリの話から始まり、ポタリング、ロードレーサー、ピストと、高千穂さんが歩んできた自転車遍歴が続きます。
それぞれの自転車の楽しみ方、自転車法規の話、自転車生活に対する考え方など、いろいろ参考になりました。

自転車に興味のある方は是非一読を。

荻原 浩:明日の記憶

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荻原 浩さんの文庫本は、全部読破したつもりになっていたのですが、何故か「明日の記憶」だけ読んでいないことに気づき、急遽購入して読みました。

この作品は、渡辺 謙さん主演で映画化されたのを見ていたので、本の方も読んだつもりになっていたのかもしれません。

ストーリー:
主人公の佐伯は、現役バリバリの広告代理店営業部長で50歳。新規の大きな商談を成功させるため、日夜奮闘の毎日。

ある日、お客との打ち合わせ予定を忘れてしまい、客先からクレームが・・・今までこんな失敗はなかったに・・・この時既に、若年性アルツハイマーの初期症状が始まっていた。

病院で正式にアルツハイマーと診断されても直には信じられない。二度と失敗しないために、佐伯のポケットはメモで一杯になって行く。しかし、そんな佐伯の努力を嘲笑うように、アルツハイマーの症状は確実に進行していく。

山本周五郎賞受賞の感度長編。

 

今までの荻原さんの小説とは一味違った作品です。全編を通してユーモラスな部分は一切なく、淡々とアルツハイマーと闘う家族の姿が描かれていきますが、その奥には今までの作品と同じ思いが描かれていると思います。

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